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男は浜辺を歩いていた。砂の上には何千という海星 (ひとで) が浜に打ち上げられている。
ふと見ると、ひとりの少年が、ひとつひとつ海星を拾い上げては海に投げ返している。
男は物珍しそうにそれを見ていたが、やがて、何をしているのか と少年に尋ねた。
「海に戻してやるんです。そのまま放っておいたら死んでしまうから」 と少年は言う。
「どっちにしたって何千も死ぬんだ。そうやって何匹かだけ助けても仕方ないだろう」 と男。
少年は無言でまたひとつ海星をとりあげて海に投げ入れる。
それから言う、
「全部は救えないけど、ほら、でもあの海星は救われたでしょう」

            ARKアーク (アニマルレュージ関西)
            「A VOICE OF ANIMAL」 2009年 11月号より
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